エレベーター更新工事というと、多くの方が、新しい機械やかご、扉を思い浮かべるのではないでしょうか。
その周囲では、仮囲い、養生、補修、下地造作、塗装、防水、床の復旧など、建築側の仕事も行われています。
一つひとつは小さな工事でも、準備や受け渡しが整わなければ、次の工程に影響します。
ZEVIONは、このエレベーター付帯建築工事を専門領域として捉えています。
今回は、私たちがこの領域に向き合う理由と、付帯建築工事の統合施工を通じて目指していることをお伝えします。
建築の経験が、エレベーターの現場につながった
代表の中村太一は、大工を出発点に、建築の現場に携わってきました。
下地をつくり、仕上げを考え、既存の建物に新しいものを納める。その経験は、エレベーター更新に伴う建築工事にもつながっています。
乗場の壁をどう復旧するか。敷居と床をどうつなぐか。撤去後の状態を確認し、据付に必要な準備をどう整えるか。
設備の周囲には、建築の知識と判断が必要な仕事があります。ZEVIONは、その領域を専門として深めていきたいと考えています。
小さな工事でも、前後の工程への影響は小さくない
付帯建築工事は、一つの現場に複数の工種が関わります。
補修が終わらなければ、次の作業を始められない。下地の位置が合わなければ、仕上げで調整が必要になる。復旧範囲が曖昧なままだと、工事の終盤に未処理の部分が残る。
このように、施工する面積や作業量が小さくても、前後の工程と切り離して考えることはできません。
小工事の集まりを、一つの流れとして捉える。そこに、付帯建築を専門にする意味があると考えています。
分業の専門性を生かしながら、工種の間をつなぐ
私たちは、分業そのものを否定しているわけではありません。それぞれの工種には、専門的な技術と経験があります。
一方で、担当が分かれることで、前提条件や変更内容が十分に伝わらず、工程の間に行き違いが生まれる場合があります。
誰がどこまで準備するのか。何を確認して引き渡すのか。残った作業を誰が担当するのか。
こうした工種の間にある課題を、ZEVIONは「分断」という言葉で捉えています。
専門性を保ちながら、情報と工程をつなぐ。そのための取り組みが、付帯建築工事の統合施工です。
ZEVIONが考える「統合施工」とは
ZEVIONの統合施工は、付帯建築工事に関わる複数の工種を、前後の工程と完成時の納まりまで含めてつなぐ考え方です。
仮設を計画するときから搬入や復旧を考える。下地をつくるときから仕上げを考える。担当作業を終えるときに、次の人が必要とする状態を確認する。
一つひとつの施工を、その先まで見て進めることを大切にします。
これは、一人にすべての作業を任せるという意味ではありません。必要な資格・技能、担当範囲、安全上の条件を踏まえ、関係者と連携して進めます。
統合施工によって目指すのは、確認不足による手戻りや受け渡しの行き違いを減らし、建築側の工事を進めやすくすることです。
TVEは、据付・解体・付帯建築の3つの事業領域
ZEVIONが掲げるTotal Vertical Engineering(TVE)は、据付・解体・付帯建築という3つの事業領域を示しています。
- 据付:新しいエレベーター設備を設置する領域
- 解体:更新対象となる既存設備を解体・撤去する領域
- 付帯建築:設備の設置・更新に伴う建物側の工事を担う領域
このうち、建築側の複数工種をつなぐ取り組みを「付帯建築工事の統合施工」と呼んでいます。
3つの領域それぞれの専門性と担当範囲を明確にし、工事の接点で必要な情報を共有する。それがZEVIONの目指す方向です。
専門にするからこそ、経験を次の現場へ残したい
現場で解決したことが、その人だけの経験で終わってしまう。それでは、次の担当者が同じところで迷うかもしれません。
どのような条件だったのか。何を確認し、なぜその方法を選んだのか。結果はどうだったのか。
そうした経験を記録し、共有し、次の現場や教育に生かすことを大切にしたいと考えています。
この技術コラムも、その取り組みの一つです。基本的な考え方を整理し、施工経験や写真を加えながら、内容を育てていきます。
技術をつなぐには、人を育てる仕組みも必要
複数の工種を理解し、前後の工程まで考える力は、一度の説明だけで身につくものではありません。
材料や工具の基礎、安全上の注意、図面と現地の見方、作業後の振り返り。学ぶ順序と、理解を確かめる機会が必要です。
ZEVIONは、TRAINING LABを育成の場として位置づけ、学びと現場経験をつなぐ取り組みを進めています。
作業ができたかだけでなく、なぜその方法なのかを理解しているか。分からないことを確認し、必要な情報を周囲へ伝えられるか。
そうした力も含めて、技術を身につけていける環境を目指しています。
都市のZ軸インフラを、再定義する。
エレベーターは、建物の中で人や物の縦の移動を支えています。
ZEVIONは、その縦の移動を支える仕組みを「Z軸インフラ」と捉えています。
目に見える機器だけでなく、周囲の建築工事、工種の受け渡し、技術を学ぶ環境にも目を向ける。それらを通じて、現場の仕事のあり方を考えていきます。
「都市のZ軸インフラを、再定義する。」
この理念を、日々の準備、施工、確認、人材育成に結びつけていくことが、私たちの挑戦です。
TOKIMEKIを品質に、品質を信頼に。
現場の条件を読み取り、方法を考える面白さ。できることが増える手応え。自分たちの仕事が、建物の日常につながる実感。
そうした仕事への関心や意欲を、準備と確認、施工の品質へつなげたいと考えています。
そして、その品質を一つひとつ積み重ね、安心して任せていただける関係をつくる。
TOKIMEKIを品質に、品質を信頼に。
付帯建築工事を専門として深め、人を育て、工種の間をつなぐ。ZEVIONは、この領域から取り組みを進めていきます。

