サンダー(ディスクグラインダー)の事故につながる危険には、キックバック、砥石の破損、回転部への接触、火花による火災などがあります。キックバックだけに注意すればよい、という工具ではありません。
付帯建築工事では、鉄の切断やコンクリートの研削など、材料や作業に応じて工具を使い分けます。この記事では、現場でサンダーと呼ばれるディスクグラインダーについて、事故につながる扱い方とZEVIONの教育方針を紹介します。
実際の作業は、使用する機種・砥石の取扱説明書、必要な教育、現場の作業手順に従ってください。本記事だけを読んで、未経験者が作業を始めることは想定していません。
サンダーのキックバックとは?起きる原因を知る
キックバックは、回転中の砥石などが挟まったり、急に大きな負荷がかかったりして、工具や材料が反動で跳ねる現象です。作業者側に跳ね返ることもあり、重傷につながる危険があります。
- 切断中に材料が動いたり、たわんだりして砥石を挟む。
- 切断の途中で工具をこじる、無理に曲線を切ろうとする。
- 砥石を材料に当てたまま起動する。
- 強く押し付けるなど、無理な負荷をかける。
材料の固定・支持方法まで含めて計画し、工具を安定して保持できる姿勢を確保します。「力で押さえれば大丈夫」という考え方で続けないことが大切です。
新人が陥りやすい思い込みと、作業前の確認
「取り付けば使える」と砥石を選ばない
砥石は、工具に取り付けられるだけでは適合を判断できません。用途・寸法・許容回転数などを確認し、メーカー指定の部品と方法で取り付けます。切断砥石の側面を使って研削するなど、用途外の使用は避けてください。
「スイッチOFFだけ」で交換・調整しない
付属品の交換・調整時は、不意の始動を防ぐため、電源プラグを抜く、またはバッテリーを取り外すなど、機種の説明書に従って電源を遮断します。砥石の損傷や取り付け状態、カバー、コードなどの点検も必要です。
試運転と停止の確認を省かない
定められた試運転を行い、異音や異常な振動があれば使用を中止します。作業後も、回転が完全に止まるまで工具を置かないでください。短時間の作業でも、この確認を省かないことが大切です。
安全カバーが邪魔でも、外して作業しない
安全カバーは、砥石の破片などから作業者を守るためのものです。切断・研削などの用途に適合するカバーを、指定どおりに取り付けて使用します。
カバーが干渉して作業できないときは、いったん作業を止めます。作業場所や姿勢を見直し、責任者と工具・工法を再検討してください。
レシプロソーなど別の工具を検討する場合も、対象材料、保持方法、周囲の設備に適合するか確認が必要です。小型の工具に替えるだけで安全が確保されるわけではありません。
保護具・服装と、火花や粉じんへの対策
保護メガネを基本に、作業条件に応じた顔面・呼吸・聴覚の保護具などを選定します。手袋も、機種の指示と作業に適したものを使い、衣服・髪・手袋を回転部に近づけないでください。だぶつく服装やアクセサリーは避けます。
コンクリートなどの加工では、粉じん対策も必要です。対象材料を確認し、適切な集じんと保護具を組み合わせます。既存建材の成分や必要な調査が不明なまま、削り始めないことが大切です。
鉄を切断する際の火花は、周囲の可燃物に着火する危険があります。可燃性のガスや粉じんなど、発火・爆発のおそれがある環境では使用しません。
現場の火気作業ルールに従い、必要な届出・許可、可燃物の除去や防護、火災の種類に適した消火設備を確認します。火花が届く範囲や隙間の先、作業終了後の確認まで含め、責任者と管理方法を決めてください。
研削砥石の交換には、必要な特別教育を確認
業務として行う研削砥石の取替えや、取替え時の試運転には、対象業務に応じた特別教育が必要です。自由研削といしの教育では、工具や取付け具の知識、取付け・試運転の方法などを学びます。
これは、「工具の使用経験がある」「社内で使い方を教わった」ということとは別に確認すべき事項です。担当する作業の範囲と、必要な教育の受講状況を確認してください。
ZEVIONでは、未経験者の工具使用をどう考えるか
ZEVIONでは、未経験者による切断・切削・研削電動工具の使用を、原則1年間禁止としています。これは法令で定められた一律の期間ではなく、事故リスクを考慮した当社独自の方針です。
サンダーは、「慣れれば使える工具」ではなく、危険の仕組みを理解して扱う工具だからです。
ZEVION TRAINING LABでは、基礎知識や安全の考え方、応用シミュレーションを通じて学びます。実際に工具を操作する教育についても、社内の使用制限と必要な安全管理を前提に実施します。
安全に使えない条件なら、作業方法を変える
付帯建築工事では、限られた空間や既存設備の近くで作業することがあります。工具を使えるかどうかだけでなく、周囲を守り、安定した姿勢で、決められた手順を実行できるかを考える必要があります。
カバーを外してまで、今の工具で作業を続けない。分からないまま、自己判断で進めない。この判断も、現場に必要な技術の一つです。
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参考資料
機種ごとに仕様・手順が異なります。以下は確認に用いた資料です。実作業では、必ず使用する機種に対応した最新版を確認してください。
- HiKOKI G13B2 取扱説明書(PDF・別タブ)↗
- マキタ 9533/9535シリーズ 取扱説明書(PDF・別タブ)↗
- マキタ 9530/9530L 取扱説明書(PDF・別タブ)↗
- 厚生労働省 建設業ウェルカム「自由研削といし特別教育」(別タブ)↗
付帯建築工事やZEVIONの取り組みについては、お問い合わせページからご相談ください。代表の中村への公式LINEはこちらです。

