なぜ、ZEVION TRAINING LAB を作ったのか。
その理由はただ一つ。“統合施工”を、私個人の経験で終わらせず、次の世代が学び、実践できる仕組みにしたかったからです。
エレベーター更新に伴う付帯建築工事は、一つひとつを見ると小規模な作業が多い領域です。しかしその実態は、複数の工種が複雑に絡み合う小工事の集合体です。 だからこそ、本来は「誰でもできる作業」ではなく、 業種を横断して理解し、合理性を担保できるマルチスキル が求められます。
そのためには、現場の経験や勘を言葉と手順に落とし込み、 専門性を体系化し、特殊技術として訓練する仕組み が必要でした。 私たちが現場で向き合ってきた“付帯建築工事の構造”を再現し、技術を学び、検証する場所―― それが ZEVION TRAINING LAB です。
創世記EP3では、私の現場経験からLABが生まれた経緯と、技術を偶然に任せない教育の考え方をお話しします。
前回のEP2では、分業されてきた付帯建築工事を一連の工程として担う「ZEVIONの統合施工」についてお話ししました。今回は、その仕組みを実行できる技術者を、どう育てるかという物語です。

なぜ付帯建築工事には、工種をつなぐ技術が必要なのか
建設業において分業は、専門性を活かす合理的な仕組みです。ただ、エレベーター更新に伴う付帯建築工事では、工種を分けるだけでは解決しにくい課題があります。
その理由は、この工事が 小工事でありながら複数工種が密接に絡み合い、 さらに縦方向の狭小空間で進む特殊領域 だからです。
乗場前の限られた空間では、複数工種が同時に作業しにくいことがあります。一つの作業を終えて次の工種へ引き継ぐ。そのたびに、担当者間で段取りや仕上がりの認識を合わせる必要があります。
小工事なのに多工種がまたがる。 多工種なのに同時作業ができない。
この矛盾こそが、付帯工事の本質的な課題です。
だから私は、この領域を“技術体系”として再定義し、 統合施工を学び、検証できる環境をつくる必要があると考えました。
矛盾を潰し続けた10年が、LABを生んだ

私が「付帯工事は技術体系として再定義すべきだ」と確信したのは、 理論からではありません。
この10年間、私は現場で建築部分の解体から仕上げまでを自分自身の手で行い、 マルチスキルで施工することで、 構造の矛盾を一つずつ潰してきました。
その積み重ねが、技術体系化の必要性を“思想”ではなく“確信”に変えました。
工種をつなぐことで、“現場の詰まり”が減っていった
エレベーター更新工事は、 小工事 × 多工種 × 狭小空間 × 縦方向の連続性という矛盾を抱えています。
私が経験した現場には、工種の引き継ぎで作業が滞る場面がありました。しかし、工種をまたいで施工すると、その詰まりが減っていったのです。
- 工種間の待ち時間を減らせる
- 段取りが滑らかになる
- 仕上がりの精度が安定する
現場全体の流れがスムーズになる という事実を、私は自分の手で証明しました。
管理者の調整負担にも変化があった
複数の工種が関わる現場では、管理者に多くの調整が集まります。
- 建築部分の解体・撤去の段取り
- 内装屋の段取り
- 電気屋の段取り
- 据付との調整
私が付帯建築の複数工種をつなげて施工すると、工種ごとに行っていた連絡や段取りをまとめられる場面が増えました。必要な調整がなくなるわけではありませんが、管理者の負担を減らせると実感しました。
統合施工は、管理の負担を減らす。 これは現場でしか気づけない真実でした。
技術が積み上がり、専門家としての深度が増した
一つとして同じ現場はありません。 だからこそ、毎回の現場で新しい発見があり、 技術が積み上がっていく。
- 建築部分の解体の癖(難易度)
- 建物の構造の違い
- 防火区画の考え方
- 据付との相性、連携
- 仕上げの精度の出し方
これらが “点”ではなく“線”としてつながり、 やがて“面”として理解できるようになった。
結果として、 この領域の専門家としての知識と安全レベルが 圧倒的に高まっていった。
10年の現場経験が、LABの思想の土台になった
私は思いました。
「この10年で自分が体現した合理性を、 誰でも再現できるようにしたい。」
これが TRAINING LAB の思想の核です。
- 工種の引き継ぎで生まれる工程や情報共有の課題
- マルチスキルで施工することで生まれる合理性
- 現場の流れが滑らかになるという事実
- 管理者の調整負担を減らせた経験
- 技術が積み上がり、専門家が育つという確信
これらすべてを “仕組みとして再現する場所” が必要だった。
その答えが、 ZEVION TRAINING LAB です。
ZEVION TRAINING LABで、経験を学べる技術に変える
― 技術を“必然”で育てる実験場
ZEVION TRAINING LAB をつくった理由はただ一つ。
技術を偶然に任せないため。
- 教える人によるばらつきを減らす
- どの現場でも同じ基準
- 経験だけに依存しない成長
こうした教育を目指すには、説明を聞くだけでなく、技術を再現し、検証できる環境が必要でした。
LABは、現場の散らばりを統合するための場所
エレベーター更新工事は、 小工事でありながら多工種がまたがり、 しかも狭小空間では同時作業が難しいという課題を抱えています。
LABでは、この矛盾を分解し、 構造として理解し、体系として学べるように再現 しています。
LABで学ぶのは、作業とその前後のつながり
- 建築部分の解体・撤去の基礎
- LGS・ボードの基準
- 仕上げの精度
- 防火区画の考え方
- 据付との連携ポイント
これらを“点”ではなく“線”として理解し、 現場で起きる“本当の問題”を 安全に、体系的に学べる場所。
それが ZEVION TRAINING LAB です。
私たちが育てたいのは「Z軸を理解する技術者」

私たちが育てたいのは、一つひとつの専門性を磨きながら、自分の仕事の前後まで考えられる技術者です。
- ボード施工の前提となる下地を理解する
- 建築部分の解体後に必要な復旧まで見通す
- 電気設備や据付など、他の担当者との接点を理解する
エレベーター更新工事全体を理解できる技術者です。
- 構造を知る
- 建築を知る
- 仕上げを知る
- 据付まで理解する
建物のZ軸を理解する技術者。 そんな人材が増えたとき、 この業界はもっと進化できる。
私は本気でそう思っています。
ここでいう統合施工は、付帯建築工事の複数工種をつなぐ仕組みです。TVEが示す据付・解体・付帯建築の3つの事業領域とは区別しています。全体を理解することと、担当範囲を越えてすべての作業を行うことは同じではありません。
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ZEVION TRAINING LAB の先にあるもの
― 成長を見える化する仕組みへ
ZEVION TRAINING LAB は、 技術を“必然で育てる”ための仕組みです。
しかし、技術を育てるだけでは十分ではありません。
人がどこにいて、どこへ向かい、 何を身につければ成長できるのか。
その“道筋”が見えなければ、 挑戦は続きません。
だから私たちは、 成長を見える化する仕組み をつくりました。
それが レベルスコアリング制度(ZL1〜ZL10) です。
次回は、 この制度がなぜ必要だったのか、 どんな思想で生まれたのかをお話しします。
▶ EP4:なぜレベルスコアリング制度を作ったのか — 成長を偶然にしないために
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📖 ゼヴィオン創世記
ZEVIONはなぜ生まれたのか。
エレベーター更新工事の構造的課題と、
付帯建築工事という空白地帯。
私たちの挑戦を綴るストーリーシリーズです。

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