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エレベーター付帯建築工事になぜ統合施工が必要なのか【EP2】

エレベーター付帯建築工事という空白地帯を解説するゼヴィオン創世記EP2

前回の記事では、エレベーター更新工事の裏側に存在する 「付帯建築工事という空白地帯」について触れました。

更新工事の現場で起きる多くの課題は、
実はエレベーター本体ではなく、 その周囲を支える“建築側の工事”に潜んでいます。

では、この付帯建築工事とは何なのか。 なぜ複雑で、なぜ長年改善されなかったのか。 そして、なぜ統合施工という考え方が必要なのか。

今回は、その核心に踏み込みます。

ZEVIONの統合施工とは、分業されてきた付帯建築工事の複数工種を、専門部隊が一連の工程として担う仕組みです。一つひとつの専門性を活かしながら、工種の間にある調整や情報共有までつなぐことを目指しています。

目次

付帯建築工事とは何か ― 複数の専門工種がつながる領域

複数の作業者と資材が集まる建築現場のイメージ
複数工種が関わる付帯建築工事を表現したイメージ。

エレベーター更新工事では、本体の交換に加え、更新方式や建物の条件に応じて、周囲の建築側にも工事が必要になります。

  • 仮囲い
  • 壁や床など、建築部分の解体・撤去
  • LGS(軽量鉄骨下地)
  • ボード
  • 仕上げ
  • 防火区画に関わる補修・復旧
  • 建築工事に伴う電気設備との調整
  • 塗装
  • 防水

これらが、付帯建築工事や関連する調整の例です。具体的な範囲と役割分担は、現場の仕様に応じて確認します。ここでいう建築部分の解体は、エレベーター本体の解体とは区別しています。

そして、
これらの工種には 明確な境界があります。
解体は解体、LGSはLGS、ボードはボード。 それぞれの専門性があり、分業として長年成立してきた領域です。

しかし問題は、
この“明確な分業構造”が、エレベーター更新工事という特殊な領域では、ときに かえって不合理を生んでしまうこと。

更新工事は、複数の工種が短期間で連続し、
しかもエレベーターという縦のインフラに密接に関わるため、 工種ごとの分断がそのまま現場の複雑性につながります。

  • 工種が増えるほど調整が増える
  • 工程が連動し、遅れが波及しやすい
  • 品質基準が会社ごとに違う
  • 現場責任者に調整の負担が集中しやすい

つまり課題は「境界の曖昧さ」ではなく、
“分業の正しさ” が “更新工事の複雑性” と衝突している構造そのもの。

なぜ付帯建築工事は複雑なのか ― 小工事の集合体という構造

付帯建築工事の最大の特徴は、
「小規模な工事が多数集まっている」 という点です。

一つひとつは小さくても、工種が増えるほど、工程のつながりを確認する場面や、関係者間の調整が増えていきます。

  • 1つの遅れが全体を止める
  • 1つのミスが後工程に波及する
  • 1つの認識違いがクレームにつながる

しかも、これらの工事は エレベーター本体とは別の専門領域でありながら、 更新工事の成否に直結します。

つまり付帯建築工事は、 「小さいのに重要」「多いからこそ調整が必要」という 非常に扱いが難しい領域なのです。

分断構造が生む“調整コスト”という見えない負担

付帯建築工事は多工種で構成されています。分業そのものが問題なのではありません。私たちが“分断”と呼んでいるのは、その間で情報や工程、品質の認識がつながりにくくなる状態です。

  • 工種ごとに業者が違う
  • 施工品質の基準が違う
  • 情報共有の方法が違う
  • 現場経験値もバラバラ

この分断をつなぐ調整が、メーカーの現場責任者に集中する場面があります。

エレベーター本体の施工管理を進めながら、建築側の細かな段取りまで確認する。

その負担を、担当者個人の経験や努力だけに委ねてよいのか。私たちは、そこに施工体制として見直すべき課題があると考えています。

結果として現場では、

  • 調整に追われる
  • 工程が乱れる
  • 品質が安定しない
  • クレームが増える

といった問題につながることがあります。

だから統合施工が必要になる ― 分断を“構造から”変える

シアンの光に縁取られたエレベーターホールのイメージ
付帯建築工事の先にある完成空間のイメージ。統合施工は、複数工種を一連の工程として捉える。

私たちZEVIONは、 この構造的な問題を解決するために 付帯建築工事を「一つの専門領域」として再定義しました。

私たちがその答えとして掲げるのが、ZEVIONの統合施工です。

統合施工とは、

複数工種を理解し、連携しながら施工できる専門部隊が 付帯建築工事全体を一体で担う仕組み

のことです。

この仕組みを通じて目指しているのは、

  • 工種間の工程調整の負担軽減
  • 品質基準と確認方法の共有
  • 現場責任者の負担軽減
  • 事故・クレームの予防につながる情報共有
  • 現場資産の蓄積

といった改善です。施工範囲や現場条件を確認しながら、こうした改善を積み重ねていきます。

統合施工とTVEは、示している範囲が異なります。TVE(Total Vertical Engineering)は、ZEVIONが取り組む「据付・解体・付帯建築」の3つの事業領域。統合施工は、そのうち付帯建築部門における複数工種の施工の仕組みです。

TVEの3つの事業領域と、付帯建築工事の統合施工を見る →

MS-ONEとZEVION TRAINING LAB― 統合施工を支える技術基盤

統合施工を実現するために、
私たちは MS-ONE(Multi-Skilled One) を立ち上げました。

MS-ONEに求めるのは、複数の作業をこなすことに加えて、工種のつながりを理解し、チームで施工を組み立てる力です。

  • 複数工種を理解し
  • 連携しながら
  • 一体で施工できる

“付帯建築工事の専門部隊” です。

さらに技術を体系化し、 次世代へ継承するために ZEVION TRAINING LAB を開設。

現場で培われてきた経験を、 再現性のある“技術”として蓄積する仕組みを整えました。

TRAINING LABの文字とエレベーター設備を描いた研修拠点のイメージ
ZEVION TRAINING LABのコンセプトイメージ。実際の施設写真ではありません。

統合施工はゴールではない ― 技術を必然で育てるために

統合施工は、 付帯建築工事の分断を解消するための“仕組み”です。

しかし、仕組みだけでは現場は変わりません。

必要なのは、 その仕組みを理解し、実行できる技術者を育てること。

エレベーター更新工事では、本体の解体・据付と、建築側の撤去・補修・仕上げなどが関わり合います。付帯建築を担う技術者にも、自分の作業の前後を理解する視点が求められます。

だからこそ、技術は“偶然”ではなく“必然”で育てなければならない。

そのために私たちは、 現場でしか学べなかった技術を体系化し、 次世代へ継承するための仕組みをつくりました。

次回予告:EP3「なぜZEVION TRAINING LABをつくったのか」

しかし、技術を育てるだけでは十分ではありません。

人がどこにいて、どこへ向かい、 何を身につければ成長できるのか。

その“道筋”が見えなければ、 挑戦は続きません。

次回は、 技術を偶然に任せないための仕組みであるZEVION TRAINING LABが どのように生まれたのかをお話しします。

そしてその先には、 成長を見える化する レベルスコアリング制度 という ZEVIONの未来につながる仕組みがあります。

▶ EP3:なぜZEVION TRAINING LABをつくったのか — 技術を偶然に任せないために


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📖 ゼヴィオン創世記

ZEVIONはなぜ生まれたのか。

エレベーター更新工事の構造的課題と、
付帯建築工事という空白地帯。

私たちの挑戦を綴るストーリーシリーズです。

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